一人ひとりの個性が調和する
 「子どもだけのオーケストラ」。

郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラ

郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラ

郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラは、郡山で唯一の「子どもだけのオーケストラ」だ。結成は1977(昭和52)年、42年の活動歴を誇る。団員数は現在55名。取材に伺ったのは入団体験会の日で、入団希望者十数名も練習に加わり、ともに演奏を楽しみ、その魅力を味わっていた。

日曜日の午後、手に手に楽器を持って集まってくる子どもたち。練習の30分前には、ほとんどのメンバーが持ち場につき、開始を待っていた。
「日曜日の午後は、友だちと遊んだりゆっくりすごしたかったりする時間帯だと思います。けれど、団員の子どもたちは、みんな活動を心から楽しみに集まってきます。それだけ音楽が大好きな子どもたち」と、会長の佐藤善邦さんは言う。

郡山ジュニアフィルが結成されたきっかけは、昭和52年当時、小学校には管弦楽を経験した児童が多くいたが、中学校で管弦楽部があるのはたった1校だけだったこと。そこで、進学しても引き続き活動できる場所をつくろうと、小中学校の音楽教師、保護者の協力によって創設されたという。
目的は、「団員自らが音楽を楽しむこと。そして演奏活動を通して音楽性と団員相互の友情を深め、青少年の音楽活動に寄与すること」。年に1回の定期演奏会やファミリーコンサートをはじめ、国内外への演奏旅行、懇親旅行などの活動を行なっている。

団員は、小学4年生から高校生まで。経験者・初心者は関係なく、みんなのびのびと音楽活動を楽しむ。
「いろんな学校から、いろんな学年の子たちが集まってくる。部活ではコンクールが目的になるけれど、ここでは純粋に音楽を楽しむこと、そして団員どうしが仲良く活動することを大切にしています」と、小学5年生のときから活動を続けている団長(高校2年生)は言う。

「入団体験会では、希望者もいっしょに演奏することで、ジュニアフィルの魅力をたくさん伝えたい」。
真剣なまなざしで練習に臨む団員たち。ときには笑いがこぼれ、表情がやわらぐ。休み時間にはお茶やお菓子が用意され、なごやかな雰囲気に包まれていた。こうした活動を支える保護者やOG・OBの存在も、ジュニアフィルの大きな特徴だ。

「一人ひとり個性的だけれど調和がとれていて、明るい雰囲気。部活と違って先輩後輩関係なく活動できるのが楽しい」と魅力を語ってくれたのは、入団して1年めのメンバー。
活動の様子はツイッターやフェイスブックでも紹介されているので、関心のある方はぜひチェックをしてほしい。

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