精一杯やれる子は、
切り替えもうまくできる。
中学校・高校とも野球部で、中学のときは、部活の仲間とよくテスト結果の見せあいっこをしていました。「こいつにだけは負けたくない!」というプライドは強かったです(笑)。
親のおかげで、家では自然と勉強する環境が整っていましたし、部活と勉強の両立がたいへんと思ったことはありませんでした。ただ、高校ではさすがに、予習をしないと授業についていけませんでした。部活もあり、なかなか時間がとれないので、学活の前や休み時間など空き時間に集中して予習をする工夫をしていました。
いまになって、もっと勉強しておけばよかったと思うこともありますが、部活はすごく楽しかったし、そのときの経験は社会人になってとても活かされています。だから、野球を続けて本当によかったと思っています。
私たちの塾に通う生徒さんにも、部活と勉強を両立している子がたくさんいます。忙しいだろうに、えらいなと思います。その子たちには「部活も頑張れ」と言っています。塾は基本的に勉強の場ですし、勉強自体、とても大切です。でも、社会に出たらそれがすべてではありません。人間関係や協調性など生きていく上で必要なことを学べるのが部活だと思います。
だから部活も頑張ってほしいですし、一生懸命やっている子は認めてあげたい。そのなかで、時間の使い方、志望校に入るための勉強をどうするのかをいっしょになって考えていくのが、私の役目です。
勉強や運動を通して、子どもたちはいろんな経験をしています。経験は、なかなか目に見えないものですから不安に思う保護者の方もいるかもしれません。でも、温かく見守ってあげてほしい。自分が親になってわかったことでもありますが、静かに見守る余裕も、親には必要かなと思います。
好きなことなら一生懸命やればいい。いずれ方向転換するときもきます。目標に向かって精一杯やれる子は、切り替えもうまくできると確信しています。
門馬正文(もんま まさふみ) プロフィール
1983年生まれ。小学4年生のとき、スポ少でソフトボールをはじめる。郡山市立郡山第一中学校、福島県立安積高等学校で野球部に所属。高校時代はキャプテンを務めた。