音を楽しんでいるその先に
得られること。
橘小学校
合唱部・合奏部
音楽イベントが多数開催されるけんしん郡山文化センター、そこからわずか数メートルのまさに目と鼻の先にあるのが今回訪れた橘小学校。中庭には大きな柿がたくさん実を揺らし、高層マンションが建ち並ぶ街中でありながら四季を感じるそんな環境。取材中に聴く音楽にとても癒されることになる。
合唱部は毎年郡山駅前のビックツリーページェントに参加し歌声を披露していて、この日もその練習のため、クリスマスソングが聴こえてきた。「大会のない冬の間に色んな曲を歌って楽しみます」と話す6年生の合唱部長。その言葉通りクリスマスソングやしっかりとした合唱曲、アイドルポップスにダンスまで様々でついリズムに乗ってしまう。顧問の先生は「みんなからリクエストを聞いて選曲します。色々な曲に出逢う事で心を豊かにして欲しい」と、部内の意識は同じようだ。
部長はさらに「友だちに誘われて合唱を始めて、前は歌う事が好きじゃなかったけれど、今は楽しくて好きになれた」それが合唱をやってきて良かった事と教えてくれた。夏までは発声や姿勢、目線そして笑顔など基礎練習。郡山の大会では金賞となり練習の成果が出せて嬉しかったという。そんな気持ちを「卒業までに5年生たちに教えたい」と逞しかった。
体育館では合奏部が練習している。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、まず難しいのが弦楽。ピアノや管楽器と違いどこを押えればどの音が出るという目印がないため、慣れるしかない。合奏部長は4年生で初めて触れた「大きくてカッコイイ」コントラバスを担当。低音で全体を支えるパート同様「準備から片づけなど色々教えたり大変だけど皆で楽しめて充実している」と部長らしく話してくれた。
演奏での中心となるコンサートマスターを務める6年生はお兄さんの影響で1年生からヴァイオリンを始めた。このように皆始める時期に差があっても音を合わせた時、曲が響き奏でられる。「皆で一体となってやる事がどんな結果よりも大事」と彼女は語る。より良い演奏のため「もっと体を動かしながら弾きたい」とストイックな姿勢がアスリートだと感じた瞬間だ。
二人とも、将来的に楽器には触れていたいと想いを明かした。顧問の先生が「進学先で楽器から離れても、卒業生が教えに来てくれる」と言うように音楽をきっかけにした教育の中で、人を思いやり自分を律することができるようなるのだ。
合唱部、合奏部共にすてきな歌声、演奏に心洗われた取材のひとときとなった。